引井総男の何か

読書、音楽、写真、散歩などの気ままな記録

猫の顔

思うに、猫たちはいつも真剣な顔をしている。ヒトと違う。ヒトは表情豊かだから、真剣な顔もするけど、間抜けな笑い顔も、ドン引きの怒り顏もする。

 

猫に限った話ではないが、大体において動物たちは真面目な顔だ。大体が不真面目な顔というならまだしも、なんで真面目な表情をしているのだろう。

 

といっても猫たちの顔が変わらないわけではない。馬の「フレーメン」という笑い顔(?)があるように、表情の変化はある。猫もじーっと観察すると、怒ったり喜んだりしているらしく見える。

 

しかし露骨には表現しない。ポーカーフェースなのだ。昔の映画俳優、高倉健みたいだ。なんで猫たちは高倉健みたいなのだろう。

 

きっと自分の内面の動きを見透かされるのが嫌なのではなかろうか。心は泣いたり笑ったりしているのに、アイツはこんなことで悲しんでいるんだとか、アイツはこの程度で喜ぶのかとか、あれこれ考えて欲しくないんじゃないかな。

 

それにしてもそうであれば、何も真剣な顔でなくても良い。アホの坂田みたいなとぼけた顔が、フツーであっても良かった。と、こう考えるのはヒトとしての私の固定観念。もしかするとあの猫顔は、猫にとってはアホの坂田顔であるかもしれない。

 

もしそうだとすると、猫の真剣顏を見れば見るほど、私はグリグリしたくなるのだった。