2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧
それでは一体彼らは何にビートされたのか。私はビート・ジェネレーションという時のbeatをずっと音楽のそれと勘違いしていた。作中ではさまざまに訳されているが、原義的には動詞beatの過去分詞形で、つまり「打ちのめされた」ということらしい。このことに…
ウッドストック・コンサート(1969年8月15日から3日間)のフィルムを見ていたら、ギンズバーグがステージに現れて何やら詩を朗読した。当時の若者である聴衆は、中年に達したギンズバーグの朗読に、ほかのミュージシャンに対してほどは芳しい反応を…
岩波版『選集21巻 日記』には「北游日乗」「独逸日記」「小倉日記」「委蛇録」の4編が収録されている。鴎外は1862年(文久2年)生まれだから、最初のが30歳そこそこの頃、次が30歳代半ば、その次が40歳過ぎ、そして最後が亡くなる1922年間近の晩年期の作品…
私の大滝詠一は、この曲を極点として脳裏にこびりついている。Aコードの基調音で、「夏の風」を表現して余りある。アフリカ大陸の西の大西洋上に浮かぶカナリア諸島は強風で有名な島だ。松本隆の詞が先か大滝の曲が先かは知らないけれど、吹き過ぎる熱風が止…
鴨長明はこの随筆を晩年に著している。61歳で亡くなる(1216年没)4年前の57歳時の作だ。生きた時代は丁度平氏が勃興して衰え去ったのと重なる。源頼朝一派の源氏の時代が始まるのも見ていた。 思想的には「永遠なるものはない」という、紀元前のギリシャ哲…