引井総男の何か

読書、音楽、写真、散歩などの気ままな記録

読書

荻生徂徠を読む(2)

こうして獲得された視点から発せられた彼の思想は、いかなる性格の代物だったか。それは徹底した愚民感と帝王論だった。なんとなれば、中国古代思想に表されているのは愚かな民衆を統治する帝王とはいかにあるべきかなのだから。武士階級も含めて帝王以外の…

荻生徂徠を読む(1)

岩波文庫で『政談』を以前読んでいたが、岩波日本思想大系本で『荻生徂徠』を読んで、他に『弁道』『弁名』『太平策』を読み通すことができた。 徂徠が生きたのは世紀が17から18に変わる前後の時代だ。江戸幕府創業から100年になんなんとする頃、世は戦乱の…